2013年08月29日社長室曲突徙薪の教え(危機管理・予防保全の考え方) その2
この、曲突徙薪の意味するところは、大事に至らないように先んじて予防すること
の大切さを説いている。また人の上に立つ者は苦言を呈する部下や、上訴する部下
を疎んじてはいけない。まして事が起こってから後始末に奔走した部下だけを評価し、
華々しい働きをしているように見える人の背後にいる、何事も起こらないように
苦労をしながら黙々と仕事をしている人を忘れてはならないということです。
部下の立場からいえば、危機に気づいているのに対策を立てようとせず、上司や
お客様に楯突いても始まらない、目上の者や勢力の強い相手には迎合し争わない、
その方が得策だという考えは誤りであり、後に大きな災いとなって降りかかって
くるということを教えている。
予め予見できるリスクやトラブルの対策を全く立てず、端から見ていて案の定と
いう感じで問題が起こると、大騒ぎして火消しに走り回る。自分はこれほど大変な
目にあっているが、こんなに頑張って解決に向け努力していますと言わんばかりに、
大声で電話をかけまくり、あちこち飛び回り遅くまで残業してアピールする。
上司はそれを見て、よく頑張っていると評価するのではなく、予め危機を予見
して未然に防ぐことができたのではないか、という目線で考える必要がある。
本当に評価すべきは、常に問題意識をもちトラブルを未然に防いでいる者である。
問題が起きないように先手先手と手を打ち、万一ぼやが起きそうになるとあわてず
騒がずさっさと火を消してしまう、この者の仕事ぶりこそ見習い評価すべきである。
危機管理の基本は、「悲観的に準備し、楽観的に対応せよ」「最悪に備えよ」
である。(初代内閣安全保障室長 佐々淳行)
問題の先送りをして、何も手を打たず漫然と過ごしている限り、次の危機、
その次の危機と押し寄せてくる。お客様の要望であっても、わが社で対応
できるものと、対応できないものを明確にして、無用な期待をお客様にもた
せることを避けなければ、終にはお客様の信頼を失い、新たな危機を招く
ことになる。
危機に対応するだけでなく、これを予防する組織つくりをすることが急務である。
そのためには常に正しい情報が瞬時にあがる体制にすることである。情報が滞る
組織体制では危機を避けることはできない。
ビルメンテナンスとは予防保全学であり、トラブルが起きる前に予め問題点を
予測し、定期サイクルを回して点検を実施し状況により適切な対応を重ねる
ことで、設備トラブルや建物環境の劣化、人災を防ぐのが目的のサービスです。
また、第一ビルメンテナンスの開発した設備機器監視システムの考え方は、
ポンプなどの設備機器等の運転回数や運転時間、圧力、水量など設備機械の
寿命に影響を与えるアナログ値を、継続的に測定監視しながら管理すること
により、故障の前兆を予知し問題が発生する前にメンテナンスを施して、
設備機器の耐用年数を最大限に延ばし、運転管理の負担軽減や設備機器の
安定稼働を促そうとするものです。
曲突徙薪の逸話は、経営や営業ばかりでなく現場管理や設備管理にも通じる
ものがあり、肝に銘じたい教えです。
社長室 鶴田