2013年09月10日社長室湯ったり温泉紀行 その1
先週、夏季休暇をいただいて福島県の高湯温泉に行ってきました。高湯温泉は山形
の蔵王温泉、白布温泉とともに奥州三高湯のひとつに数えられる昔からの名湯です。
JR福島駅からバスで約30分、県道70号沿い、磐梯吾妻スカイライン入口の手前に
共同浴場がひとつと7件の旅館が点在しています。
開湯当時から温泉を大事にし、多くの人に湯を楽しんでもらうという精神のもと、
江戸時代には「一切の鳴り物を禁ず」という地区内取り決めを行い、この努力により
高湯温泉は歓楽的開発がなされませんでした。
温泉以外何もありませんので、純粋に温泉を楽しむ方には最高の贅沢を味わえます。
これが現在の高湯の最大の魅力につながっています。
宿泊した玉子湯さんは400年ほど前、慶長年間に自然湧出しているのを発見されて
以来、温度、泉質ともに変わることなく現在に至っています。
玉子湯10番源泉です。 こちらは高湯26番源泉 です。
天然自噴の源泉100%。 完全放流式、加水なし、加温なし 。
泉質は酸性 含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)
PHは2.7の強酸性。
源泉の湧出温度は50℃から51℃なので、少しあっちっちです。
ほぼ全域が磐梯朝日国立公園に含まれた天蓋で、純粋にお湯と自然の風情を楽しむ
にはお勧めの温泉です。高カロリーのくどい食事や、殊のほか行き届いた接客をお望
みの方には不向きですが、温泉と景色、風情だけで十分に楽しめ、幸せな気持ちを味わ
えます。
明治の文人、斎藤茂吉をはじめ、加藤楸邨、埴谷雄高、庄野潤三といった作家たちが
高湯を訪れています。
五日ふりし雨はるるらし山腹の吾妻のさぎり天のぼり見ゆ
山の峡わきいづる湯に人通ふ山とことはにたぎち霊し湯
吾妻山くだりくだりて聞きつるは ふもとの森のひぐらしの声 茂吉の首です。
風評被害の影響で、桃の売れ行きが良くない、と旅館の方がぽつんと話されたのが
印象に残りました。
白布、高湯と入湯できたので次は蔵王温泉です。
社長室 鶴田