2014年02月17日龍から学ぶリーダーのあり方 3
「見龍」の時代
龍の成長第二段階の時期は、「見龍、田にあり、大人を見るに利(よ)ろし」
見龍が水田に表れた。大人に学ぶ時であると言っています。
見龍は、真っ暗闇と言ってもいい潜龍の時代を抜け出し、急に世の中が
見える段階に入るのです。
潜龍の時代に培った徳をいち早く見出して、世の中に引き上げてくれる
大人との出会いがあって潜龍は見龍になります。
人を見て学ぶ龍。 「師となる人物を見つけ、基本と型を修養する段階」、
時の流れの基本とは何か。 洞察の基を身に着けていく習得方法。
模倣として学ぶ見龍の時代・志を確固として育てた潜龍は、世の中に見い
だされてようやく地上に現れます。自分の目も開き、世間からも見られる
ようになったという事により見龍となります。
見龍の時代は「基と型をつくる」こと以外はしてはいけない、師の教えを
受けいれてとにかくコピーに徹すること。とにかく基と型をつくりさえ
すれば、他の事は何もしなくても良いと言われます。
基と型がしっかりできていないと、たまたまチャンスに恵まれてうまくいった
としても長続きしません。その後で失敗します。
見龍の段階は潜龍から少し出た段階にすぎません、いうなればよちよち歩き
の龍のようなものです。暗いところから明るいところに出ると見えないものが
見えるようになり、自分はものすごく力がついたような錯覚に陥る場合があり
ます。そしてやりすぎて失敗します。
自分はまだまだよちよち歩きの龍なのだと自覚して、まずは社会を歩んで行く
ために必要な基と型をしっかり身に着ける必要があるのです。それが見龍の
時代になすべきことです。
その基と型を身に着けるために見龍の段階では見る力を養うことです。
「大人を見るに利(よ)ろし」とは、自分を見出してくれる人を探しなさいと
言う意味です。見龍の時代には自分が学ぶべき大人との出会いが必ず
ありますので、その大人を探し出して学ばなくてはならないと、はっきり
と意識することです。
学ぶという字は、古くは「まねぶ」と読んだそうです。「まなぶは、まねぶ
なり」と言います。「まねぶ」、「真似をする」つまり見て「真似る」事です。
見龍になると急に視界が開けて見えた気になってしまい自分の実力以上
の力を
発揮したくります。それが努力だと勘違いしてしまうのです。見龍の段階
ではそれをしては駄目だと言っています。ただひたすらコピーに徹して基と
型をつくれと教えています。
目で見て、耳で聞いて、体で覚える。まずはこの繰り返しです。とにかく見る、
見る、見る。
この時期の心がけは、会社の社長や重役、あるいは優れたリーダー、人物を
良く見て、それに学ぶ事であると説かれています。社長や重役、優れたリーダー
は、それ相応の努力を重ね、地位に相応しい人格を養ってきているはずです。
まずは身近なお手本に謙虚に学ぶことが大切です。
感謝、有り難うございます。
次回、「在淵・君子終日乾乾」に続く