2015年03月09日「見龍」の時代
龍の成長の第二段階の時期は、「見龍、田にあり、大人を見るに利(よ)ろし」。見龍が水田に
表れたときです。そのときは大人に学ぶ時期であります。
見龍とは、地中に住み隠れて志を養った「潜龍」が地上の水田に現れた段階にあります。
「基本を修養する段階」です。
見龍の段階は、潜龍から少し出た段階にすぎません。いうなれば、よちよち歩きの龍のよう
なものです。暗いところから明るいところに出ると、見えないものが見えるようになり、
自分にはものすごく力がついたような錯覚に陥る場合があります。そしてやりすぎて失敗
します。
人を見て学ぶ龍。「師となる人物を見つけ、基本と型を修養する段階」です。時の流れの
基本とは何か。洞察力の基本を身に着けていく段階にあります。
「見龍」とは、見て学ぶ龍、見習う龍であります。まず大人に出会うことから始まります。
潜龍の時代に培った徳をいち早く見出して、世の中に引き上げてくれる大人との出会いが
あって潜龍は見龍になります。
自分はまだまだよちよち歩きの龍なのだと自覚して、まずは社会を歩んで行くために必要
な基と型をしっかり身に着ける必要があります。そのために、大人を探し出して学ばなく
てはならないと強く意識する事です。
何かをなした経緯には、素質を見出してくれた人物が必ずいるものです。どんなに優れた
能力や才能があっても、それを見出し世に引き上げる力が働かなければ、日の目を見るこ
とは決してありません。
見龍の時代は「基と型をつくる」こと以外はしてはいけません。師の教えを素直に受けい
れてコピーに徹すること。基と型をつくりさえすれば、他の事は何もしなくてもよいと言
われます。
どのように学ぶか。「学ぶ」は古くから「まねぶ」と読み、「学ぶは、まねぶなり」と言い
ます。「学ぶとは、真似る」こと。どんなものでも、学びの始めは「見よう、見真似」から
始まります。
「目で見て、耳で聞いて」、体で覚える。まずはこの繰り返しです。とにかく「見る、見る、
見る」ことからです。
大人とは一言で言うならば、当たり前のことを当たり前にできる人です。普段使う言葉に
偽りがなく、その行動も心が行き届いてあやまちのない人、自らの邪を認め、それを防い
でいこうとする人です。
そして誠の心で物事に向かい、世の為人の為に良い事をしても、決して得意になって誇ら
ない人物のことをいいます。
優れたリーダーは、それ相応の努力を重ね、地位に相応しい人格を養ってきているはずで
す・・・まずは身近なお手本に謙虚に学ぶことが大切となります。
この時期の心がけは、優れたリーダー、徳に満ちている人物かどうかを良く見ることです。
そして徳のある人に素直に学ぶ事が大事となります。
感謝、有り難うございます。
次回、「在淵・君子終日乾乾」に続く