2015年07月13日「優れたる龍の在り方」
「群(ぐん)龍(りゅう)首(かしら)なきを見る。吉なり。天(てん)徳首(とくしゅ)
たるべからざるなり。」ものごとの主とならない龍の在り方を説いています。
「群(ぐん)龍首(りゅうかしら)なきを見る。吉なり」、群がる龍の頭は雲に隠れて
いる。つまり、優れたリーダーは自己主張がなく、圧力をかけず、トップ争いをし
ないという意味である。
リーダーがリーダーたりえるのは、力や威厳があり、人々の頂点にいるからではない。
その働きが大義に従うものだからである。それを勘違いして権力を争うようでは、や
がて失墜する。
働く人々が圧力を感じず、おさめられているという意識さえ持たずに、各々の力を発揮
して繁栄するように導く事が大切である。
「龍」となった実力のある人たちが集まって、一致団結して一つの方向を目指している
ときは、とてつもなく大きな仕事が成し遂げられます。
しかし「龍」が競争して足の引っ張り合いがおきることもあります。このような時には、
もったいない話ですが「龍」の力を発揮することができなくなります。
優秀な人たちの集まり、力のある人達の集まりを「群龍」と言います。この能力のある
沢山の「龍」が勢いを持っているときの「龍」の用い方というのは、「首(かしら)なき
を見る」といいます。つまり首を出してはいけない、頭を出してはいけないということ
です。
龍の鋭い爪、牙はすべて首にあります。だからその首を布で覆い隠しなさい、と教えて
おります。威厳とか逆鱗は人々に好かれません。ですから龍は、いつも雲の中に首を隠
すのです。
雲と共にいなければ龍は力を発揮する事ができません。また雲と共にいなければ抗龍と
なってしまいます。「群龍首(かしら)なきを見る。吉なり」、これは、頭、首を出さな
いと物事がうまくいくということです。
頭、首を出さないということは、俺が俺が、ではなく、常に慢心を抑えて謙虚になる事
です。そして全ての人々の意見を採用して、共により良い方向へと導いていこうとする
心構えを持つことです。
優秀な人たちがいたら、その優秀な人たちの意見を採用する器量や度量を持つ事が優れ
たる「龍」の条件であります。
「龍からの学び、リーダーの在り方」は致知出版社主催による「竹村亜希子先生の易経
講座」の教えの中で私なりに解釈したものであります。
従って基本となる易経の教えから少しずれているかもしれません。基本となる易経の教
えを深く知りたいと思われる方は、竹村亜希子先生の著書、「人生に生かす易経」、
「易経一日一言」(共に致知出版社刊)、をお勧めいたします。
皆様もご自分の心の中で龍を大事に育て、龍と共に大きく成長し、人生、仕事をおおいに
楽しんでいただきたく思います。
感謝、有り難うございます。