2016年03月09日「群龍首なきを見る。吉なり」
「群龍首(ぐんりゅうかしら)なきを見る。吉なり。天徳首(てんとくしゅ)たるべか
らざるなり。」ものごとの「主(あるじ)」とならない龍の在り方を易経の中で教え
ています。
私が初めてこの言葉を知った時の驚きは衝撃的でありました・・・またこの言葉で
私のいたらなさ、愚かさを知ることが出来ました。
優秀な人たち、力のある人達の集まりを群龍と言います。その群龍が一致団結して
一つの方向を目指しているときは、とてつもなく大きな仕事を成し遂げることが出
来ます。
しかし優秀な龍、力ある龍が競争し、お互いに足の引っ張り合いをするのが通例で
あり、よく起きうることであると教えています。
このような時には、もったいない話ですが本来の龍の力を発揮することができなく
なります。この優秀な龍たちの力を発揮させるために「首(かしら)なきを見る」、
頭を出してはいけないと教えています。
つまり私は「偉い」、「正しい」・・・だから私の言うことを聞け、という威圧的
な態度をとってはいけないと教えています。
「威厳」とか「逆鱗」は人々に好かれません。ですから龍は、いつも雲の中に首を
隠しています。龍の鋭い爪、牙はすべて首にあります。だからその首を布で覆い隠
しなさいと教えています。
頭、首を出さないという意味は、俺が俺がではなく、常に慢心を抑えて謙虚になら
なければなりません。そして全ての人々の意見を採用して、より良い方向へと導い
ていこうとする態度が必要です。
優秀な人たちの中では、その優秀な人たちの意見を採用する器量や度量を持つ事が
本当に優れた「龍」の条件である、ということを教えています。
龍は雲と共にいなければ力を発揮する事ができません。また雲と共にいなければ
「抗(こう)龍(りゅう)」となり空から落ちてしまいます。雲とは、周りにいる優
秀な人たちのことを言っています。
雲に逃げられてしまう態度とは単なる競争だけを目的としている態度、あるいは
「自分の我欲」、「自分の都合のみを優先」し、それを皆に押し付けている態度の
ことです。
私は雲から逃げられないために、私の「傲慢な態度」、「不遜な態度」を戒めるこ
とで常に謙虚にあり続けます。そして全従業員の衆知を集め、最高のお客様サービ
スができる体制を創っていきます。
感謝、有り難うございます。