2016年12月14日心のありようで人生が変わる
人の心は移ろいやすく「ころ、ころ」と変わるから「心なんだ」と人は言う。自分の心で
ありながら、その心を自由にすることが出来ないのが心ではないだろうか。
心で思ったことが現実となり、良いことも悪いことも自分の前に現象として現われてくる
のが心の力ではないだろうか。
良きことを思えば良きことが起こり、悪しきことを思えば悪しきことが起こり、邪(よこ
しま)なことを思えば邪(よこしま)なことが自分に起きて来ます。
人は心が閉ざされ、硬く硬く閉まっていく時に、身も心も病気になると言われます。私が
大病で苦しんでいる時、薬師寺大本山 管主 山田法胤の心の話しを偶然にも聞く機会に恵
まれました。
山田法胤のお話は「心をしなやかに、心豊かに生きぬく」という教えでありました。山田
法胤から次のような言葉が発せられます。
「こだわらないこころ、とらわれないこころ、かたよらないこころ、ひろく、ひろく、もっ
とひろく、もーっとひろく」と、この心が般若心経(はんにゃしんぎょう)、空(くう)の心
なり、といわれました。
この言葉を聞いた瞬間、病に苦しみ、身も心も硬く閉ざされていた私のこだわる心、とら
われる心、かたよる心、せまいせまい私の心が解放されました。
私の心は、こだわらない心、とらわれない心、かたよらない心、ひろいひろい心となり、
素直な心となりました。
その素直な心になることで、大病で苦しんでいる私を見つめなおすことが出来、私の現実
を受け入れることが出来ました。
そして周囲を見回してみると私は独りで生きているのではないこと、私にかかわる全ての
人々に生かされていることに気付かされました。
そう考えるときに、全ての人々に対して感謝する思いと、その感謝に報いたいという思い
が私の心に生まれました。
大病を患(わずら)うことで心の大切さを知り、大病のお陰でしなやかな心になり、心豊か
になったと感謝せずにはいられない。
全ての人々に感謝し、その感謝の思いに報いるべく、全ての人々に恩返しの心で接してい
きたいと強く思う今日この頃であります。
感謝、有難うございます。